シーン023:「自転車にのって」

お当番 : おーつけーこ

 「海の日」には強い日差しが似合いそうだが、朝からすっきりしないお天気。 思い切って走りに出かけてみたが、何分も走らないうちに雨が降ってきた。 あわてて引き返し、機嫌の悪い天気では仕方ないと、部屋の片づけを始めた。
 昼食後も、のんびりと片づけをしていると、急に空が明るくなった。 私はちらかり放題の部屋をそのままに、MTBで出かけた。目的地は「群馬の森」。 サイクリングロードを走って行き、途中から一般道へ出る。 春にもこの道順で行ったので、走っていれば思い出すだろうと、たかをくくっていた。 が、一般道へ出た途端、さっぱり道がわからなくなった。 手元には群馬の森周辺の地図しかない。もともと記憶力は悪いし方向オンチ。 なのに出発点から目的地までの地図が無いなんて、まぬけな話だ。 あてもなく、わけもわからず走る。道に迷うことの多い私にとって、よくあるパターンだ。 やみくもにペダルをこぎながら、ふと、あることを思い出した。 自転車好きのある人が、地図も持たずに初めて訪れる知人宅までたどり着いたという話。 なんでも「におい」がしたそうで。こんな時は、動物的カンにまかせるしかないのかな、と思いつつ、 どんくさい自分にそんなものがあるわけない、とすぐに否定した。 いや、どんくさいからこそ、動物的カンが…などと考えていると向こうからバスが来た。 行先には「群馬の森」とある! やった! あのバスについていけばいいんだ!  ギアを重くしてスピードをあげる。 でも、当然、追いつけるわけもなく、バスは遠ざかり、見えなくなり…。 私はまた、どこへ行けばいいのかわからなくなってしまった。 仕方なく道なりに走っていくとT字路に出た。看板に左は伊勢崎、右は高崎とある。 右を選んでしばらく進むと、「群馬の森」の看板が!!!

 看板を見つけた時は、本当にうれしかった。 こんな近所で、私はちょっとした冒険をしてしまった。 晴れ晴れとした気持ちで家に帰ると、散らかり放題の部屋が待っていた。 「あー、そうだ、片付けも途中に出てきたんだったー」やっぱり記憶力が足りない私。