シーン064:「演じることが好きだった?(その四)」

お当番 : 東 勝

  (その参からの続き)

  2年時の春、部活動説明会にて「合気道四郎」として活動した後、考えたことがあった。 「技がぎこちない・・・。はたして新一年生に教えられるだろうか・・・」と。 そこで私は自分自身が新1年生として改めて合気道部に入部しなおし、 改めて色々教えてもらうことにした。・・・無理な話のようだがそれを可能にした。
  というのも真の目的は違うところにあったからである。 実は「先輩としての不安からの脱却」ではなく「ドッキリ」がしたかっただけなのだ。 ということで、新一年生として潜入し、本当の新一年生と仲良くなりタメ語で話せるくらいになった頃、 「実は先輩でした〜!」大作戦を開始した。

  まず、本名は既に色々な所に載っていてバレル恐れがあることもあり、 せっかくだから新しい名前を募った。でその時期「ラララ ムジン君」のテレビCMが流れていたため、 「近藤夢人(こんどうゆめひと)」という名前ではれて合気道部に入部したわけである。
  合気道は特殊なのでやはり経験がある人と初心者での動きは全く違う。 なので「高校時代少しやっていた」という名目で参加した。そこから苦難の連続だった。
  大学のキャンパス内で私は普通に2年生と仲良く歩いている。が合気道部1年生にとっては先輩。 その姿を見られると弁解に困った。またキャンパス内で部活以外の友達に本当の名前を呼ばれる。 あせった。部活内でもこの作戦を知らない先輩が何人かいた。稽古中「???」という顔をされ、 また本名を呼ばれ質問された。小声で説明した。かなりあせった。 救いは自分の所属学部・学科に近い1年生が少なかったため、 接触する機会も少なかったことである。

  なんだかんだで月日は過ぎ去り、5月中旬日本武道館で合気道の演舞会が催された。 その帰りでの東京での打ち上げで、とうとう発表した。
  「実は僕2年生でした〜!」本当の1年生の「?」と「!」の入り混じった顔が非常に有難かった・・・。 その後、案の定、私の先輩としての資質は低いままだった・・・。

  ・・・合気道部のみなさんには非常にご迷惑をおかけしました。 素直に稽古をしてればよかったんじゃない?オレっ!!(つづく)


back          next