シーン109:「入院」

お当番 : しんご


病を患いました。
判明したのは、昨年の12月でした。
そして1月中旬、人生で二度目となる入院をすることとなりました。

一度目の入院は、中学2年の夏でした。
部活動中のスポーツ事故でした。
最も多感だったであろう時期、そのうちの2ヶ月半を病床で過ごしました。
しかし、そこで沢山のものを感じ、得ることができました。
家族から注がれた愛情は、何にも代え難いものでした。
言葉そのものはありふれているかもしれませんが
それをあの歳で実感できたことが、何よりも大事な経験となりました。
また、入院生活そのものがとても貴重な経験でした。
手術室で手術台に乗せられた時、頭上のライトを見て
「おぉ、ドラマで見るのと同じだぁー」などと感心していました。
夜中、他の患者さんの容体が急変し、病室から慌しく連れ出され
数日後に息を引き取られたということが、時折ありました。
「明日一緒に売店に行こう」と話していた隣のベッドの患者さんが
一緒に“明日”を迎えられなかったこともありました。
人の“死”といものを肌で感じました。

二度目となる今回の入院は、2ヶ月余となりました。
とてつもなく長く感じられた毎日でした。
が、普段はタチが悪い程にネガティブ思考の持ち主であるにもかかわらず
けれど前向きに、ポジティブに入院生活を乗り切ることが出来ました。
そこには、独りでないことを実感させてくれる“存在”がありました。
友人やシブパの仲間、職場の仲間たちの声が、勇気を与えてくれました。
そして、“家族の存在”そのものが、何よりも大きな支えとなりました。
「家族を守り続けたい」
「家族と共に歩んでいきたい」
そう想う気持ちが、生きる活力となりました。
そして、見守り、励まし、支援し、元気づけてくれる家族の想いが
私を強くさせてくれました。
病床に臥しつつも、何故か幸せを感じる日々でした。

一度目の入院の時、手術後麻酔が切れかかり意識が朦朧とする中
息子を想う家族が握っていてくれたこの手を
今回は新しい“家族”が握り続けていてくれました。


  ・・・例えばそんな話をやりたいなぁ、と。
  人を想うこと。
  人に想われること。
  その凄さと素晴らしさが描けるような、そんな作品を創りたいなぁと
  そう勝手に思う今日この頃です。


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