シーン150:「我が家のテレビ」

お当番 : 瀬山

  我が家のテレビ、あの「3.11」を境にいくつかのチャンネルが見られなくなり、 さらには画像がときどき止まってしまうという怪奇現象が起こっている。 見られないチャンネルは「信号がありません」という表示が出るのみで、 まったく悲しいかぎりだ。
  気に入って見ていた番組も見られなくなり、早3ヶ月。
  何事にも無頓着な私は、「しょうがないよね〜見られないもの」はと 半ばあきらめの境地だったのだが、テレビの一つも何とかできなくてどうする (ちょっと大げさか・・・)と思い立ち、行動を開始することにした。
  まずは、他のお宅はどうなのかしら(うち、アパートなので)と探りを入れるべく、 契約更新ついでに大家さんにそれとなく尋ねてみるが「他の家は何もいってこないねぇ〜」と いうお返事。そうか、うちだけか・・・とトボトボと帰宅しながら、これじゃテレビを 買い換えか!?と頭の中でそろばんをはじくのだった。
  次に、メーカーに問い合わせてみることにした。そういった電話が苦手な私は この仕事を同居人に託した。「はいはい、チャンネル選択ね」と憂鬱そうに電話の応対をする 同居人、後ろから小声で「何?何?」とじゃまなくらい問いかける私。 (実際じゃまだったらしい。)
  どうやら、上手く受信できていないから、受信できる電波を探してみろということらしい。
「どうやるの?わかんないよねぇ〜」とすっかり仕事を放棄した私を尻目に、 「そんな問題じゃないと思うけど」とぶつぶつ文句を言いながらいわれた作業を行う同居人。 で、結局何も映らず。「やっぱり、だめじゃん」と何もしていないのに威張る私に、 「買い換えるか・・・」と同居人の決めぜりふ。「いやいや、それはだめ。お金ないもん。」と 猛烈に反撃し、再度メーカーへチャレンジ。
  そして、メーカーの方が我が家へいらしたのだった。
  ちょっと怒り気味で私が話すテレビの症状を、硬い表情で聞くメーカーの方。
何やら器械を取り出し、テレビの線をつなぎ直しもう一度テレビの電源を入れると ・・・映った!!のである。
  もうビックリ。同居人と目を見合わせながら「何で?」と首をかしげる私に メーカーの方は一言、「こちらのDVDの電源を抜いていたため、 抵抗が増えて信号が弱くなっていたんですね」とにっこり。 節電のためと電源を抜いていたDVDが原因だったとは!?
そんなこと?そんなことなの?そういえば、3.11以降DVDのプラグ、 抜きっぱなしだった。だって「節電」でしょ。
  そんな私の心の中を見透かしたように、メーカーの方は 「テレビやDVDの待機電力は今ほとんどかかりません。それよりも、 エアコンのフィルターをこまめにお掃除いただいた方が節電になるんですよ」と 今まで以上ににこやかに言うではないか。
なぜ、私がエアコンのフィルター掃除をさぼっていることまで知っているんだ・・・ と始めの怒りはどこへやら、「麦茶でもいかがですか」と愛想を振りまいてしまった。
  その後、きちんと映るようになったテレビで「節電」についての特番を 真剣に見つめる私と同居人がいたのだった。(エアコンもきれいに掃除したよ。)


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