シーン221:「大切なモノ」

お当番 : しんご


食事をする時、一番好きなものを、先に食べますか? 後に食べますか?

私は昔から一番好きなものは後に取っておいて食べる方でした。
何故そうするのかを自分なりに考えてみると、二つの理由が思いあたります。

ひとつは、「好きなものを食べる楽しみを残しておきたい」性分なのだということ。
振り返ってみると、これは食事に限らず、様々な場面で見られる傾向のようです。
例えば、CDを何枚かまとめて買った時には、一番聞きたいものを最後に聴いたり。
例えば、迷路のようなゲームをやっている時には、一番何かがありそうな場所を最後に 行ってみたり。

もうひとつは、「好きなものは大切にとっておきたい」性分なのだということ。
振り返ってみると、これも食事に限らず様々な場面で見られる傾向のようなのですが、 どうも度が過ぎることが多いようです。
例えば、一目惚れして買った服なのに、袖を通さないまま季節が変わってしまったり。
例えば、お気に入りの傘がありながら、それを使わずにビニール傘を使っていたり。

でも、最近は反論する自分が出始めました。
好きなものを後に取っておいたり大事にし過ぎてしまうと、 そのものが無くなってしまったり機会を失ってしまったりするということを感じる場面が 増えたのです。
取っておいた大好物が、誰かに先に食べられてしまうように。
上演したいと想ってあたためていた戯曲が、他劇団の公演に使用されてしまったり、 作品の旬が過ぎてしまうように。
先日、お気に入りの傘はあまり使っていないにもかかわらず、破損してしまいました。


「今、この瞬間幸せでいましょう。それで十分です。その瞬間、瞬間が、 私たちの求めているすべてであって、他には何もいらないのです。」

…という、マザー・テレサ女史の言葉を先日教えていただきました。
そう容易に達観できるものではありませんが、それでも、幸せに感じられる瞬間が 積み重なっていけば自ずと明日も幸せでいられるような気はします。
もちろん、それこそ容易なことではないのだと思いますが…。
だからやっぱり、“今”どう在るべきなのかが重要なのだと思います。
せめて、好きなものを好きだと感じられるような、大切なものを大切に感じられるような、 そんな時間を過ごしていたいと思うのです。
自分の気持ちに素直になることが苦手な臆病者なので尚更です。


まずは、好きな食べ物を後に残しておきながら、欲をかいて他のものを食べ過ぎて、 好きなものにたどり着けなくならないように気を付けていかないと。


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