シーン302:「1年が…長い。」

お当番 : 森田 リョウジ


 年齢を重ねると、時間が経つのがとても早く感じられます。以前、しんご氏もコラムで述べていた(「シーン94」参照)ように、「ある人にとっての『一年』の時間量は、1年をその人の年齢で除したもので表される」という説があります。
私も実感として、そう思っていました。…昨年までは。

 劇団シブパは、昨年の2015年8月に第20回公演を行いました。私は入院だなんだかんだ、ということをしていた時期で、実質7月頃からの稽古に合流。1か月程度で冷や汗をかきながら台詞や動きを叩きこんだものです。
終演後、ほっとしたのもつかの間、演出のしんご氏が指定した第21回公演の日時が、翌2016年の2月。実質4か月で、客演さん4人を含む11人芝居を創り上げました。実にタイトなスケジュールでした。
 第21回公演終了直後から、反省のためのミーティングが幾度となく行われました。そして2016年4月に主宰の交代と第22回公演の仮決定。力のある客演さんたちに芝居を喰われてしまわないように、公演までまだ8カ月もあるのに慌てて稽古々々の日々。そして、現在に至っています。

 アラフォーと呼ばれる年齢になってから、こんなにアクセクした毎日を送れるとは思っていませんでした。昨年7月から今日までの1年と5ヶ月は、質でいうと3年分くらいの価値ある・濃密な日々だったのではないかと思われます。
 もちろん私自身老化はしていますが、それを差し引いても、演出的な観点、舞台上での表現、事務的なスキル、精神的な強さなど、この1年ほど成長した時間はないかもしれないです(成長してソレかよ、というツッコミは受け付けません)。それこそコラムの「シーン249」よろしく、「有限の時間を意識的に分割することで、一秒は一秒以上の意義・価値を持つ」って感じです。

 これ自体は、とてもイイことです。密度が濃い時間を、人生を、送れているわけですから。
 でもね…
 ……いい加減…………長い。「長い」っていうか、「永い」。
 毎日が、異様に、異常に、…永いんです。公演や劇団に関する仕事をしていると、没頭してしまう悪い癖が影響しているのでしょう。こんな毎日を過ごしていたら、いよいよ老いてくる気がします。ただでさえ老け顔なのに。これじゃあ、第22回公演が終わった頃には3歳くらい余計に歳とってそうだ…。
 これじゃあ、いかん! 考え方を改めなければ…。
 …ということで。
 結論@:一生懸命がんばるのも大事だが、時間に挑むような生活をしてはいけない。
 結論A:ポイントを絞って取り組もう。
…また一つ、賢くなれた気がします。

 …公演が終わったら、年齢に対して妥当な「『1年』の時間量」を過ごそう。温泉でも入って、一回落ち着こうかな。
 …「温泉入って落ち着く」って発想、すでにおじいちゃんだな…。

そんな森田リョウジの、濃密な1年が凝縮された作品『けれどスクリーンいっぱいの星』。来月お披露目です。皆さま是非、劇場でご覧ください。


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