シーン320:「土田英生さんとのこと」

お当番 : 森田 リョウジ


 劇団シブパの第23回公演『のこしもの』の詳細が解禁となりました。時を同じくして、我々劇団シブパがいつもお世話になっています境総合文化センターさんの「境演劇フェスティバル」の詳細情報も明らかになりましたね。フェスティバルに参加される各劇団さんの公演はもちろんのこと、関連して開催される劇作家・演出家としてご活躍の永井愛さんによる演劇ワークショップも待ち遠しい私です。

 境総合文化センターさんが開催なさっている演劇ワークショップですが、昨年度は『約三十の嘘』などの作家さんとして有名な土田英生さんが講師でした。テレビドラマでは『斉藤さん』や『俺たちに明日はある』、『保育探偵25時〜花咲慎一郎は眠れない!!〜』などの脚本を手がけていらっしゃいます。役者としては記憶に新しいところでは、杏さん主演で話題になった朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』にもちょい役でご出演なさっていましたね。
 私が土田さんを知ったきっかけとなった作品は、2002年から放送されていた「演劇作品をテレビドラマで創ってみよう」という企画の番組「演技もの。」の第三弾『錦鯉』でした。今から15年近く昔の当時は、テレビの深夜番組枠でよく演劇の公演が放送されていました。『錦鯉』についても、ドラマ版とは別に劇場公演版をテレビで放映していたことがあり、その映像を録画していたシブパの劇団員からビデオテープを借り、むさぼるように観たことを覚えています。作品の内容は割愛しますが、「土田英生さんは、『軽妙な会話』と『誇張し過ぎない絶妙なラインの心情描写』を魅力的に表現なさる作家・演出家さんだな」という印象がその時に出来上がりました。
 シブパとしては、前述の『約三十の嘘』を第11回公演の台本としてお借りし、お世話になりました(『約三十の嘘』関連のことは、以前にもコラム「シーン85」「シーン187」にも書いてあります。)。

 話は少しそれますが、私は劇団で取り扱う事柄やミーティングの内容、演劇関係の情報等をA4版のノートにまとめております。気が付いたときに書くくらいなので、ページの減るスピードはそれほど早くないのですが、そのノートの2冊目を書き始めたのが、2007年の第11回公演『約三十の嘘』の関連の頃でした。そして、そのノートの最後のページを書いたのが、去年2016年の土田英生のワークショップの講義内容でした。私の演劇ノートは実に10年をかけて、土田英生さんから始まり土田英生さんで終わりました。あまり運命などを感じず信じない私ですが、こればかりはちょっとした運命を感じました。(ワークショップが開催されたのが『Re:』で二人が出逢った10月2日だったということも、土田作品ファンならわかるかも、な特別感が味わえました。)

 そんなわけで、私は土田英生さんに対して勝手にシンパシー的なものを感じております。近い将来、また土田さんの作品に取り組んめたらいいな、などとも考えています。そして、このような運命的な何かを次回の演劇ワークショップにも求めてしまう、今日この頃なのでした。






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