劇団シブパ第23回公演のお知らせ


 このお手紙を書いている4月上旬、世間は様々な門出を祝う喜びに溢れています。私たちは第21回公演で『四月になれば彼女は』という新たな旅立ちの物語を上演いたしました。ご覧いただいた皆様には共感していただけるかなと思いますが、私はあの作品を思い出しながら、柔らかな暖かさの中で少しだけまどろみつつ、春の訪れを喜んでいます。皆様は喜べる毎日を送っていますか。
 こんにちは。劇団シブパです。

 さて。
 4月と言えばパッと「お花見」を思い出される方も多いことでしょう。このお手紙を書いている今時分、前橋の桜の開花状況は8・9分咲きという感じです。皆様のお手元に届くころには満開を過ぎて、散り始めているかもしれませんね。大胡の千本桜あたりだと、ちょうどよく見頃かもしれません。
 お花見には人それぞれに楽しみ方があるだろうと思われます。気の合う仲間とお酒とおしゃべりとでにぎやかに騒ぎたい。穏やかな光に包まれながら、桜並木を散歩したい。まだ少しだけ肌寒い夜風にあたりながら、ライトアップされた夜桜に魅せられたい…などなど。私が好きなのは、何と言っても桜吹雪ですね。満開に咲き役目を終えたかに思われる桜の花はその数日後、一つひとつの花びらに分かれ、春風にさらされながら散りゆきます。春嵐かと思われるほどの突風が吹くその刹那、視界が薄紅色で覆い隠されて…。心が奪われるほど幻想的で夢のようなその一瞬が、私は大好きです。
 現代ほど娯楽が溢れていない昔、人々のお花見の楽しみ方はさらに多様だったようです。その中には、散った桜の様相を楽しむ「桜流し」や「花筏(はないかだ)」というものがありました。「桜流し」というのは「枝から離れ散った桜が川に流されている情景」を、「花筏」というのは「水面に散った花びらが吹き寄せられていく情景」をそれぞれ表現した言葉です。なるほど、桜というのは散ってなお我々に、味わい深い情景を遺してくれているのですね。

 第23回公演の上演作品『のこしもの』は、ある方が介護施設で亡くなるところからお話が展開していきます。その方が残し、遺したものは一体何だったのか。劇団員、瀬山和美と宮野圭輔が紐解いていきます。桜が花びらとなって遺してくれる情景のような、儚さと美しさ、そして、少しの後味の悪さを、皆様にご提供させていただきます。加えて、桜が演出する多様な楽しみ方さながら、これまでの劇団シブパの公演とはまた違う、シブパの多様な顔・見せ方もお楽しみいただければ幸いです。

 では、美味しい紅茶の飲める店、楽しい企画に出会える店「まーやの家」でお会いしましょう。

 ※ 「まーやの家」は喫茶店です。お席に限りがございますので、前売り券の購入をお勧め致します。
 ※ 本作品は内容上、中学生未満の方の入場はご遠慮いただきます。


平成29年4月吉日      
劇団シブパ代表 森田リョウジ



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