シトシトも似合うこの場所で、ジメジメとしたお芝居を
(第23回公演・挨拶)


 こんにちは。劇団シブパです。
 私たちは今回初めて、ここ「まーやの家」さんで公演をさせていただけることとなりました。オーナーの矢嶋洋子さんとは、劇団シブパ第19回公演『まほろば』で客演をしていただいたことからご縁が生まれました。シトシトと降る雨の優しい音色がよく似合うこの場所で公演ができることに、喜びを覚えている今日この頃です。

 さて。
 今回演出を担当している小菅信吾と私は、私が演出をするようになった14年ほど前から、「何度やっても上演時間が30秒とズレない、精密に創り込まれた芝居」をするのが、一つの共通の目標でした。それは必ずしも「テクニックの上で体内時間を働かせて機械のように精密な動きをする芝居」を作りたいということではなく、「登場人物の気持ちに寄り添いリンクすることで、必然性のある動きを積み重ねる芝居」をお客さんに観ていただきたいという想いの表れでした。そして今回の公演では、その想いを体現するための挑戦ができたのではないかと感じています。二人芝居だから描ける細やかな心情の変化、そして、「まーやの家」という会場でだからこそ生まれる暖かな雰囲気。そんな、テレビや映画などのメディアとは異なる演劇らしさを表現できた作品になったと自負しています。

 このお芝居をご覧いただくことで、ジメジメとまとわりつく湿気のような、ぬぐい切れない不快感を得ていただけたなら幸いです。けれどもやはり、心のどこかに、わずかな晴れ間と青嵐を迎えていただけたならこんなに嬉しいことはありません。
(第23回公演パンフレットの文章より、一部転載)

平成29年6月26日      
劇団シブパ代表 森田リョウジ



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